JNN系列・テレビ山口のローカルニュースで「マイ箸」の特集。
番宣をみかけて思わずチェックした。
番線の時点から「割り箸=環境破壊」的なトーンだったので
どの程度、環境問題に触れるのか注目していたが、
思った通りというか、予想以上にノータッチエースだった。
わずかに触れたのが
「国内で消費される割り箸のほとんどが中国から輸入されている。
中国では割り箸生産のために森林を伐採していて
CO2の排出増加や環境破壊の原因になっている。
環境のためにマイ箸を使いましょう」って調子のさらっと感だけ。
伐採される森林の多くがシベリアの針葉樹林であることや
間伐材を使う国内産の割り箸の方が
中国からの輸入品よりも環境負荷が少ないとする主張のことにすら触れず
割り箸をキーワードに環境を考える気配など毛頭なかった。
番組では、最近よく見かけるようになった
マイ箸や箸袋、箸キャップなどの商品紹介に加えて
手作りの箸袋づくりを女子アナが体験。
さらに、マイ箸を使うと特典が受けられる飲食店が紹介された。
マイ箸使用でトッピング1品無料というラーメン店では
備え付けの割り箸に竹橋を使っていた。
成長の早い竹の箸は木の箸に比べて環境負荷が少ないというわけだ。
しかし、国内で消費される竹割り箸の半数以上は中国製で
それ以外のほとんどは産地が明記されていないのだそうな。
そして、出回っている竹割り箸から結構な確率で
漂白剤の残留物である二酸化硫黄が検出されたという報告がある。
二酸化硫黄とは酸性雨や四日市ぜんそくの原因物質として知られる
主要な大気汚染物質だそうだ。
少なくとも、環境のために割り箸をやめるという店はあまり信用できない。
竹割り箸を使う店は客の健康を犠牲に環境を守り、
塗り箸を使う店は森林保護の代償として水質を汚染する。
といわれても仕方がない、と私は考える。
最も良い方法は、すべての客がマイ箸を持参することだろうが
それは一朝一夕にできそうにないので、
当面は店が割り箸を用意する必要があるだろう。
また、焼肉店などでは箸を直火にさらすため
事実上マイ箸の使用が不可能といえる。
そんな店にも割り箸は欠かせないアイテムのはずだ。
だからこそ、間伐材を使った国内産の割り箸が重要なのだ。
ただ、間伐材とはいえ森林資源には違いないので、
使用済みの割り箸をそのまま焼却せず
炭なり他の用途なりにリサイクルする仕組みづくりが待たれる。
ちなみに、多くの飲食店が何故
国産の割り箸を使わずに中国産を使っているかといえば
誰もがご推察の通り「安い」から。
一方ではコストダウンのために中国産の割り箸を使っておきながら
その一方で環境問題を声高に叫んで客に負担を強いる。
そんな店に振り回されるな! と私は言いたい。
というわけで私は、
国産の割り箸をマイ箸とともに携行することにした。
ついでの話だがこの度、マイ箸をリニューアルした。
購入先は、例の「銀座夏野」(箸【はし】のエントリー参照)。
なんと今回は、
以前から気になりつつ手が出なかった「つなぎ箸」。
しかも、一般的なチャチいヤツではなく一丁前に指物になっていて
先と根本をねじ込むと木目までぴったり合うという逸品。
やっぱり、携行するには短くなる「つなぎ」が一番。
「振り出し」も仕掛けとしては面白いが
使い心地と質感を考えると、こちらの方がいい気がする。