某所で進行中の企画に関する情報整理のための個人的メモ。
◆山口は、日本で初めてクリスマスを祝った場所。
∵フロイス著「日本史」(松田毅一、川崎桃太訳・中央公論社)より
「(山口)において(日本で)初めて降誕祭の祝いが催されたが、その報せに接したキリシタンたちは、これを大いに喜んだ。彼らは夜を徹するために我らの家に来て、(夜明けの)第二ミサまでそこに留まり、(その間)絶えずジョアン・フェルナンデスが彼らに朗読するデウスのことを傾聴した。」
(第6巻「豊後編I」第7章P101)
上記は、1552年の降誕祭についての記述。注釈によれば、サビエルが渡日した1549年以後で4回目の降誕祭となるこの年、初めて司祭と信徒とが一緒に祝うことができたという意味。
◆山口が日本における西洋音楽発祥の地?
「コスメ・デ・トルレス師は仲間と援助者たちが(到着するのを)待ちに待っていたので、彼らにあった時の喜びようは信じられぬばかりであった。同地方のキリシタンたち一同の喜びもそれに劣らなかった。降誕祭(当)日に彼らは歌ミサを唱え、キリシタンたちは、それが初めてのことであったから非常に喜んで傾聴した。そしてその夜を徹して彼らは(キリシタンたち)に我らの主なるキリストの生涯を読んで聞かせた。また司祭たちはそれぞれ三つのミサを捧げ、なぜそのように(三度のミサを)読むのか、その理由を(キリシタンたち)に説明した。
(第6巻「豊後編I」第8章P111)
つまり、1552年12月24日に山口で執り行われた降誕祭の歌ミサが、日本における西洋音楽の発祥であり、日本で初めてのクリスマスの祝いだったという解釈である。西洋音楽の発祥についてはこのほか、1551年にサビエルが布教の許可を求めて大内義隆に接見した際、差し出した貢ぎ物の中に「マニコルデオ」という鍵盤楽器があり、これが義隆の前で奏でられた時とする主張もある。
◆西洋音楽発祥の地山口世界音楽祭
1993年から7年間にわたって山口市で開かれた。2007年には第5回山口国際交流芸術祭の中で、その考え方を継いだとされる「西洋音楽発祥の地山口~フランス音楽特集コンサート」が開催された。