食用にする牛や豚の内臓の俗称。その語源については、「捨てるもの」を意味する大阪弁「放るもん」だという説や、内蔵を食べると勢力がつきそうだというイメージがホルモンに通じることから名付けたという説などがある。
一部の焼肉店などでは戦前から、ホルモン焼きとして提供されてきたが
最近まで、どちらかといえばゲテモノ的な見方をされてきた。
一般的に受け入れられるようになったのは、
やはり「もつ鍋」ブームによるところが大きいだろう。
ホルモンには、部位によってさらに呼び名がある。
狭義のホルモンは大腸を指すが、テッチャン、シマチョウとも。
小腸はコテッチャン、シロなどと呼ばれる。
小腸を切り開かず輪切りにした「丸腸」は
私の大好物である「コプチャン・チョンゴル」には欠かせない。
コプチャンは小腸を意味する韓国語で、
“コプ”が小さい、”チャン”が腸という意味らしい。
“チョンゴル”は、いわゆる鍋料理の意味。
“チゲ”も鍋を指すが、こちらは1人用の鍋が一般的。
チョンゴルは数人で鍋をつつくスタイルといわれる。
日本流の鍋に近いイメージはチョンゴルか?(区別は曖昧らしい)
しつこいようだがチゲ鍋、チョンゴル鍋という用法はいかがなものか。
あえて言えばチゲ用やチョンゴル用の石鍋を指している。
ちなみに、我が家の近くの焼肉店「ありん」
(ユッケが最高に美味い)の店主の息子さんが経営する
「ぢゃがるち」はコプチャン・チョンゴルが美味い。
「ありん」はどちらかというと“高級”の部類に入るが
こちらは比較的リーズナブル。
しかし、父親の仕事を見ていたからか仕入れはしっかりしている。
キムチの味は両店共通だと思ったら、どうやら母親製らしい。
ところで、もつ鍋ブームが来る前の昭和の時代、
もつ鍋に似た「トンチャン」という料理があった。
トンチャンの語源は韓国語のトン(糞)チャン(腸)で大腸・小腸の意。
幼少のころ、実家の近くにも「トンチャン屋」があったが、
子供は連れて行ってもらえなかった。
想像では、もつ鍋とチョンゴルの中間的な料理だと思われる。
ホルモン焼きで忘れてはならないのが牛の医の類。
第一胃「ミノ」、第二胃「ハチノス」、第三胃「センマイ」
そして第四胃「ギアラ」「赤センマイ」だ。
中でもセンマイは欠かせないし、いい店ならセン刺もいい。
見た目がグロいので食わず嫌いな人も多いが、
“騙された”と思った食べた人のほとんどが大好きになってしまう。
焼きすぎて“レゲエ”(ドレッドヘアみたいなので)にならないよう
さっとあぶる程度で食べたほうが美味い。
このほかにも、いろいろな内臓類があるのだが
これ以上は本当にゲテモノっぽくなってしまうので割愛する。