ヨーロッパを中心に、1800年代から1900年代まで続いた音楽。
文学・美術・哲学の分野で起こったロマン主義運動と連動し
古典派音楽を発展させたものらしい。
個人的には、ロマン派ってなんか嫌い。
特に合唱の分野では全く興味がないといっていいくらい嫌い。
と思っていたけど、その理由についてはあまり考えたことがなかった。
というわけで、あらためて嫌いな理由を挙げてみる。
1)なんか、脂ギトギトのフランス料理を食べているみたいでしつこい。
2)とくに松葉(クレッシェンド&デクレッシェンド)の表現が大げさで
大映テレビのドラマを見ているようで醒める。
3)メロディー偏重で、音楽の構造そのものに面白みがない。
といったところか。
器楽の分野ではブラームスを筆頭にベルリオーズやシューマンなど
あんまり嫌いじゃないなぁ。
きっと、合唱の方がこの嫌な部分を強調する傾向にあるのだな。
さしずめ、
4)のど自慢的で、攻撃一辺倒の“ばっちい”演奏が多い。
って感じなのかな。
でも、よく考えたら
ロマン派でも、プレイヤーが頭を使って演奏すれば
“知的”で深みのある演奏ができるってことかもね。
もちろん曲によって限界はあるだろうけど。
そういうわけで今、
ブラームスの「ドイツレクイエム」に取り組んでいます。
実はこの曲、私が生まれて初めて買った合唱のレコードです。
演奏者はショルティ&CSO。ソプラノはキリ・テ・カナワです。
ロマン派嫌いがなぜこれを買ったかというと、
フォーレ以外のレクイエムが欲しかったから(だったと思う)。
これがショルティとの出会いでもあったのだな。
今回、ドイツレクイエムを演奏するにあたり
何枚もCDを聞いたんだけど、これが私のベスト盤だったね。
オケだけでいうと、必ずしもCSOが最高ではないんだけど
(カラヤン&BPOの2回目とかバリ巧!)
トータルとして、特に合唱のクオリティが高かった。
というか、合唱がひどすぎる盤の多いこと。
とはいうものの、この曲
美しい部分があったかと思うと演奏者に丸投げの部分があったりで
テンポ設定だとか、音色の作り方だとか、デュナーミクだとか
何か一つが間違っただけで、とっても不味い料理になってしまう感じ。
そのくせ、こんなところでこんな風に歌わせるなよ!みたいなのも多い。
まあ、あり得ない曲という意味では古典派でも
ベートーベンのような例もあるわけだから、
時代というよりは地域性みたいなものか?
でも、バッハのような厳格な感じはないもんな。
もっとも“まだ交響曲を書くほど勉強していない”頃の作品なので
細部を見ていけば色々と未熟な部分はあるみたい。
ぶっちゃけていうと4つの交響曲ほどのクオリティはない。
こりゃ、名演奏が少ないわけだ。
あ、あともう一つ思い出した。
ロマン派の何が嫌いって、ロマン派が好きな人にろくな人がいないこと。
偏見といわれるかもしれないけど、
ロマン派が好きな人って、何でもカンタービレにしてしまう傾向があって
特にバロック以前の音楽が上手く歌えない人が多いよね。
きっと、自分が気持ちよく歌うことが一番大事で、
他パートや器楽との対話とか、他者を引き立てるとかに興味がない。
きっとそういう人が嫌いなんだな。俺。