きょうの「題名のない音楽会」は常磐津×ブルーマングループ。
久しぶりに「題名」を見たって気がした。
黛俊郎が他界した後、武田鉄矢、羽田健太郎がMCを務めたけど、
いずれもやや大衆寄りで、アカデミックな内容が減ってしまっていた。
佐渡裕へのバトンタッチが発表されたとき
実はかなり期待したんだけれど、これまであまり満たされていない。
特に「振ってみましょう」や「吹奏楽クリニック」などは
番組というよりはむしろイベントで
視聴者には得るものが少なかった感は否めない。
そんな中で今回の企画は、内容の掘り下げは甘かったものの
今後に期待を持たせるものだったと思う。
特に、ブルーマンがオウム返しに常磐津の猿まねをして、
それが「ドラえもんのうた」に変わる件は秀逸だった。
演奏だけではなく、笑いの要素も取り入れている
ブルーマンならではの仕掛けだし、
“ドラえ~もん”のメロディーに含まれる微分音は
常磐津ならではの歌い回しで自然に処理されていた。
浄瑠璃の「はい、タケコプター。はっはっは」も最高だった。
これを見て、かつて黛時代に和楽器による「ボレロ」を思い出した。
黛自身の編曲だったのか、それとも前田憲男か誰かだったのか分からないが
オリジナル楽器に勝るとも劣らない、迫力のある演奏だった。
指揮者である佐渡は、作曲家の黛とはやはり視点が違うだろうが
こうした、音楽の仕組みをアカデミックに楽しませてくれる企画も
たまにでいいので手がけて欲しいと思う。
ところで、ブルーマンが演奏するオリジナル楽器って
バンブーオーケストラと基本的に同じだよね。
竹ではなく排気ダクトなのでちょっと薄っぺらい音だけど。