大分県宇佐市に本社を置く
三和酒類株式会社が製造する麦焼酎。
私の学生時代に起こった「第2次焼酎ブーム」は
“甲類”が中心のいわゆる「酎ハイブーム」だった。
そんな中で河北秀也や浅井慎平を起用するなど
積極的な広告戦略を行った「本格焼酎いいちこ」は、
“下町のナポレオン”として不動のブランドイメージを確立した。
確かに、その癖のない味は酎ハイにしても邪魔にならないし、
甲類とは違って、水割りなど本来の(?)飲み方でも楽しめた。
そんな「いいちこ」というか三和酒類だが、
近年の焼酎ブームでも、しっかり先頭を走っていたらしく
焼酎メーカー売上高ランキングで5年連続1位なのだそうな。
しかし、きょうの朝日新聞によると
売上高自体は3年連続前年割れなのだと。
そりゃそうだろうね。第3次焼酎ブームがこれまでと違うのは
“本格”焼酎ブームだということ。
かつては焼酎の悪イメージの象徴だった「芋」が人気なのだから。
07年度のランキングでも霧島酒造をはじめとして
芋や黒麹を使った焼酎を造っているメーカーが元気だね。
まあ、第2次ブームのころから芋焼酎を推奨してきた私に言わせれば
昨今の芋焼酎なんてスッキリしすぎていて全然芋らしくないけど、
それでも色々な芋焼酎が手に入りやすくなったことはありがたいかな?
そうそう。話は全然「いいちこ」から離れるけど、
芋焼酎特有の“焼き芋”みたいな香りを強くしようと思ったら
芋の使用割合を下げた方がいいんだって。
山口県内の某有名酒造メーカーの社長さんが言ってた。
さて、話は「いいちこ」に戻ります。
「いいちこ」が「下町のナポレオン」を自称し始めた頃
ちょうど梅沢富美男が「下町の玉三郎」として注目されていた。
(厳密には梅沢の「夢芝居」が82年、
いいちこが84年らしい。ひょっとして、梅沢人気をパクった?)
そのせいもあって私の中では、両者が微妙にリンクしている。
てゆーか、梅沢富美男が飲んでいる焼酎みたいなイメージがあった。
それと同時に「下町のナポレオン」という言葉自体がピンとこなかった。
もっとも、ナポレオンに対する思い入れが我々の世代にはないよね。
今の若い人たちに言わせれば
「ナポレオンって何?」って感じだろうけど。
「下町のナポレオン」という言葉は知っていても、
その元ネタは飲んだことも見たこともなかったりして。
「ナポレオンズ」だったら最初から下町っぽいけど!